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役員報酬の決め方と税金を最も安くする方法

COLUMN
2019.03.18

年収から所得税をシンプルに計算することが困難であるという話

顧問先の方から役員報酬をいくらにしたらよいかについて聞かれることがあります。なかでも、ある一定の年収を超えてしますとそこから個人の所得税率が高くなってしまうので、その税率が高くならないラインはいくらぐらいなのか教えてほしいと聞かれることが多いです。
しかしながら、実は所得税率は所得に合わせて段階的に上げってはいきますが、その税率で全体の所得を掛け算しなければならないというものではありません
すなわち、ここのラインを超えると所得全体の所得税率が高くなってしますというラインが存在するわけではありません。
また、役員報酬や給与には給与所得控除という税金を計算するうえで、控除できる項目もありますので単純に「年収これなら、掛ける何%で年間の所得税額いくら」といった感じで計算しにくい面があります。

なお、所得税の扱いでは、役員報酬と給与・賞与などはみな同じ給与所得となります。以下で給与所得として役員報酬も給与と同じように扱っている場合もありますが、所得税を考えるうえでは特段区別する必要はないことにご留意ください。

所得税率表について理解する

まずは実際の「所得税の速算表(所得税率表)」を見てみましょう。

この表をみていると、例えば1800万円を超えると全部の所得税率が40%で計算されるようにみえますがそうではありません。あくまで1800万円を超えた分を40%で計算いたします。
1800万円までは、195万までは5%で、195万円を超え、330万円以下の分は10%でといった感じで段階的に計算いたします。

以下のようなグラフにした方が視覚的には理解しやすいと思います。

速算表を見ていただくとわかるのですが、控除額というのがありますね。
これは、例えば、「195万円を超え、330万円以下」の97,500円は195万円×5%=97,500円の金額なんです。
また、「330万円を超え、695万円以下」の427,500円は195万円×15%+(330万円-195万円)×10%=427,500円の金額です。
この金額は例えば330万円の課税所得の場合330万円にいったん全体に対して20%掛けたのちに、5%分、10%分で計算しなければいけない部分の差額を控除するための金額になっています。
195万までは5%で、195万円を超え、330万円以下の分は10%で330万円を超え695万円以下の分は20%と積上計算していってもいいのですが、それよりも全体を最高税率で掛けておいていらない部分は決まった金額になるのでまとめて控除した方が早い(速算)という考え方から出来ています。

給与所得控除について理解する

役員報酬や給与から所得税を計算するに際しては、給与所得控除という控除項目を差し引くことが出来ます。
この給与所得控除というのは給与所得者のスーツやカバンなど仕事をするうえで必要であろう経費分を一律に控除するために設けられているものです。
具体的には以下のような計算式で計算いたします。

具体例で理解する

ここでは具体的に、年収800万円の例で考えてみましょう。

まずは年収から給与所得控除を控除し、課税所得を計算する

年収800万円を上記の表に当てはめてみると、給与の年収金額が「660万円超、1,000万円」のゾーンに当てはまりますので「収入金額×10%+1,200,000円」が計算式になります。
具体的に求めてみると800万円×10%+1,200,000円=200万円となり、年収800万円の場合の給与所得控除は200万円ということになります。
したがって、所得税を計算するに際しては800万円から200万円を差し引いた600万円が課税所得ということになります。

次に、課税所得を所得税速算表に当てはめて所得税を計算する

課税所得が600万円ですので、所得税の速算表に当てはめると所得税は600万円×20%-427,500円=772,500円となります。
積上計算してみると当たり前ですが、同じように195万円×5%+(330万円-195万円)×10%+(600万円-330万円)×20%=772500円となります。

法人との対比で考える

次に法人の税率と比較してみましょう。法人税率は、現時点では23.2%です。所得800万円以下の軽減税率などありますが、原則一律で、法人の所得が増えたからと言って段階的に上がっていくというわけではありません。
なお、今まで見てきたのは所得税と法人税ですが、実際は地方税も発生します。個人の地方税率は10%なので上記の所得税率表の税率に10%を上乗せして考えます。法人の方は単純に上乗せできないのですが、一般的には30%弱といわれていますので、30%として考えます。
このように考えて改めて所得税額の速算表を見てみてください。
所得が900万円超えると所得税率は33%になります。地方税を考慮すると43%です。地方税含めた法人税率の30%より高いですね。上記で詳しく述べたように900万円超えたからといって全体の所得に対して33%の税率で計算されるわけではありませんが、この先900万円以上所得が増加していくのであれば、法人成りした方が納税額が少なくなりそうです。

まとめ

所得税率は所得に合わせて段階的に上げっていくため、ここのラインを超えると所得全体の所得税率が高くなってしますというラインが存在するわけではありません。
ただし、所得が上がっていくと所得税率は法人税率を超えていくので、所得税率と法人税率のベストバランスを意識しながら、役員報酬を設定していく必要があります。