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会計の使い手になるための第5弾 仕入と在庫に強くなる

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2019.04.13

仕入について考えてみる

仕入はいつ計上するのか

商品を売り上げた際の相手側が商品を仕入れることになりますので、商品の仕入れは商品の引き取りを受けたときに商品を仕入れたと考えます。
商品を受け取るタイミングも売上の時と同じように納品を受けたとき、検品が終了したときなど、事業の実態に合わせて自分の会社に合う基準を統一的に採用していくことになります。

仕入代金の支払いについて

仕入代金の支払いについて考えます。
この場合も、その場で現金で支払う場合もあれば、締日を設けて後日仕入れ代金をまとめて払う場合もあります。
仕入の場合も現金による仕入現金以外による仕入があるということになります。
現金による仕入では当然ながら現金で支払いますので、現金(資産)が減少します。一方で現金以外の仕入では商品が納品された仕入時点では現金が減少しませんが、後日現金を支払う義務が発生します。この現金を将来支払う義務を買掛金といいます。

商品の在庫について

仕入に関しては売上とは異なり、商品の在庫の問題が発生します。商品を仕入れたらすぐ販売、また、商品を仕入れたらすぐ販売とどんどんその場で売れていけば問題ありませんが、通常は商品の売上見込みを立てて売れそうな分を事前に仕入れていくことになると思います。この販売を期待して仕入れたものの現在販売待機中の商品を在庫といいます。日々の商品の仕入⇒発送⇒在庫は今いくら?というのを会計にリアルタイムに反映するのも難しい面があるので、通常は月末や決算期末などのタイミングで在庫を集計し、当期仕入分はとりあえず仕入(費用)として計上しておき、月末もしくは決算期末で在庫を集計した分を当期の仕入(費用)から在庫(資産)に振り替えることにより差額を売上原価(費用)に計上いたします。この差額で求めた売上原価は実際出荷した商品分に相当しますので、出荷した商品売上と対応することになります。
このあたりを図で示すと以下のようになります。
今期商品を3個仕入れたとします。仕入れたときはとりあえず全部(3個分)、仕入(費用)として計上します。そして、月末や決算期末に在庫を集計してみると在庫が1個残っていたとします。そこで、在庫で起こった1個分を仕入(費用)から在庫(資産)に振り替えて、その差額で売上原価を計算すると2個分は売上原価(費用)として計上されます。実際、商品が出荷されたのは2個なので2個分の売上が計上されているはずですから、商品2個分の売上と商品2個分の売上原価が計上され、収益である売上と費用である売上原価が対応しバランスしたことになります。

また、次の期の例で考えてみます。前の期の在庫は1個でしたので、当期の期首の在庫(商品)は1個です。その後、当期中に商品を4個仕入れたとします。この場合もとりあえず仕入れた商品4個分いったん仕入(費用)として計上します。そして、月末や決算期末に在庫を集計してみると今期は在庫が2個残っていたとします。期首に商品が1個あり、当期中に4個仕入れたとして、当期末に商品が2個残っていたとしたら今期は3個の商品が出荷されたはずです。売上も3個分の売上が計上されているはずですので、3個分の売上原価(費用)と対応しバランスすることとなります。

仕入に関するまとめ

●企業の業績を計るためには売上の計上基準と同じように商品の引き取りを受けた時点で仕入が計上されたと考える。
●その仕入には現金による仕入と現金以外による仕入がある。
●現金による仕入は現金という資産が減少するが、現金以外による仕入は買掛金という現金を支払う義務が発生する。
●仕入れに関しては、在庫の問題が発生するので、仕入・在庫(商品)・売上原価の関係を理解していた方が望ましい。