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法人設立したら知っておきたいこと

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2019.02.03

会社を設立はまずは何をしたらよいかわからないという話をよく聞きます。そこで会社を設立したら何をすればよいのかというのを税理士の立場でこれだけは知っておいていただきたいと思うことを語ります。

1.法人を設立したら各役所に届け出が必要

法人を作ると今後、国(管轄は税務署)、県(管轄は県税事務所)、市(管轄は市役所)の3か所とかかわりを持っていきます。したがって法人の異動(設立や住所変更など)があればその都度、それぞれ3か所の役所に届出書を提出します。
設立届を提出する際に、忘れてはいけないのが青色申告の届出書です。この書類を必ず税務署に提出するようにいたしましょう。
青色申告制度とはもし会社に赤字が発生した場合、その後9年間その赤字を繰越欠損金として繰り越して、その後発生した利益と相殺できるというとてもありがたい制度なのです。法人設立初年度はどうしても赤字が発生しがちなので是非青色申告の届出を忘れずに提出しておきましょう。設立3カ月以内が提出期限になります。
もし、初年度提出し忘れた場合は、翌年度以降から適用は可能ですが翌年度が始まる前に青色申告の届出を提出する必要がありますのでご注意ください。

また、源泉所得税の納期の特例の届出も合わせて提出しておきましょう。
役員報酬や給与を払うとその金額に合わせて源泉所得税を毎月の給与から天引きいたします。その預かった源泉所得税は原則翌月10日までに毎月納付しなければいけません。毎月、納めればよいことではあるのですが、毎月銀行または郵便局に行くのも面倒であると思いますので、この届出を提出しておくと半年に1回(毎年7月と1月)の納付で済みます。ただ、この特例は常時勤務する方が10人未満という制限があります。常時勤務する方が10人以上になった場合は原則通り毎月納付となります。

2.役員報酬を決めましょう

役員報酬は原則、毎月定額の金額にしておく必要があります。また、役員に対する賞与など臨時報酬に該当するものは法人の経費になりません。期の途中に法人に予想以上に利益が出てきた場合、法人で税金払うくらいなら役員報酬を増額したいまたは賞与して役員に支払ってしましたいという気持ちはわかります。しかし、今の税法では途中で役員報酬を増額するのは利益調整としてとらえられてしまいます。もちろん払うこと自体がダメというわけではないのですが、増額した分も含め役員の方の所得税・住民税は発生する一方で、増額した分は法人の経費として認定されないという何ともやるせない結果になってしまいます。

もちろん全く変更が出来ないわけではなく、期が始まって3か月以内なら1回変更しても可ということになっています。
したがって、期が始まった最初の段階で今期の売上・経費・利益を予想し、今後約1年は定額で支払う役員報酬の額を決定することになります。そうなりますと期が終わるときに当初の予定通りいかなかった場合が出てきます。予想以上に赤字となってしまい、当初設定した役員報酬が支払えないというような状況になった場合は、例外的に役員報酬の減額が認められる場合があります。一方予想以上に利益が出た場合他の節税手段などを検討することになります。

3.奥様の役員報酬または給与の設定する場合の注意点

法人設立する場合、奥様またはご親族の方を役員または従業員として雇用する場合があります。役員とした場合上記でお話したように毎月定額、役員賞与などの臨時報酬なし、年に1度の変更のみという原則通りの取り扱いになります。
また、役員でなく従業員として雇ったという場合は毎月定額、賞与なしという制限はありませんが、従業員として支払う給与となれば勤務時間や業務内容などの勤務実態や他に従業員がいればその方たちとの金額的なバランスを考慮に入れて決める必要があります。
奥様またはご親族の方の場合、通常の従業員さんより高めに設定する傾向があるように思いますが、金額の決定については上記の内容にご注意ください。

4.源泉所得税及び社会保険料の納付を行います。

役員報酬や給与を支払うと月々支払うその役員報酬や給与からその月額給与金額に応じた源泉所得税を会社が控除する必要があります。そして、その控除して会社が預かった所得税を原則、毎月納付する必要があります。この納付に関しては上記でもご説明しましたように源泉所得税の納期の特例の届出を事前に提出しておけば、半年に一度まとめて納付することが出来ます。
ここでの所得税は給与を支払った役員や従業員本人の所得税ではありますが会社が代行して控除して税務署に納付しているわけです。
また、法人の場合、社会保険に加入義務があります。社長一人でも加入義務がありますので手続きをとるのを忘れないようにしておきましょう。

5.決算期が来たら2か月以内に申告書類を提出し、納税

設立時に決めた決算期が到来したら2か月後までに、申告書類(決算書)を作成して税務署、県税事務所、市役所の3か所に提出します。その際利益が出ていればそれぞれ3か所に納税が必要になります。税金の納付期限も申告書類の提出期限と同じ2か月以内です。
なお、法人税(国税)は赤字の場合、税金は発生しませんが、県税・市税に関しては赤字でも均等割という資本金額に応じた税金の納税が必要となります。したがって、赤字だから税金が全く発生しないというわけではありません。

6.消費税について理解しましょう

消費税の納税が必要か否かは前々年度(基準期間といいます)の課税売上高が1,000万円を超えているか否かで判定します。したがって、会社設立初年度及び2期目には前々期が存在しないので、原則、会社設立初年度及び2期目は消費税の納税義務のない免税事業者となります。
ただし、資本金が最初から1,000万円以上の会社などは設立初年度から消費税の納税が必要となりますので注意が必要です。また、基準期間がない事業年度でもその当該年度の上半期半年分の課税売上高が1000万円を超えた場合は当該事業年度から消費税の納税が必要になります。ただ、その場合、1,000万円を超えたか否かについて課税売上高の代わりに給与等の支払額の合計を用いることが出来ます。

消費税は預り金なので、売上に対して預かった消費税と商品仕入れやさまざまな経費の支払いにともなって支払った消費税の差額を決算時に清算するものです。通常は売上に対して預かる金額の方が大きいので納付になりますが、支払った方が大きい場合は消費税が還付される場合もあります。
また、消費税の納税額の計算方法としては預かった消費税から支払った消費税を控除してその差額を収めるのが原則ですが、前々年度の課税売上の金額が5,000円以下の場合は簡易課税制度の適用を選択できます。簡易課税制度とは売上に対して預かった消費税から控除する消費税を実際に支払った消費税で計算するのでなく、業種別に決まっているみなし仕入率で計算できるという制度です。ちなみにみなし仕入れ率は以下のようになっています。
第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業)80%
第三種事業(製造業等)70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(サービス業等)50%
第六種事業(不動産業)40%
したがって、実際自分が支払った消費税額と比べ、みなし仕入れ率で計算した消費税額が少なければ簡易課税制度を適用した方が有利になります。
なお、簡易課税制度を適用する場合は適用したい事業年度の開始の日の前日までに簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を提出しなければなりません。
また、一度、簡易課税制度を適用すると2年間は変更することが出来ません
のでご注意ください。

消費税も法人税、県民税、市民税と同じく決算期から2か月以内に申告書類を提出し、納税する必要があります。

7.領収書や請求書などの書類はきちんと保管しておきましょう

領収書や請求書は7年間という法定の保存期間が決まっています。
保管方法はスクラップブックに糊で貼って保存するという方法が一般的だと思いますが、最近はスキャナーで会計ソフトに取り込む場合もありますので会計事務所によっては糊で貼らずにそのまま受け渡しのほうが好まれる場合があります。
また、何人かで飲食店に行ったような交際費の領収書は領収書に接待した相手先の名前、人数などをメモ書きしてくことをおススメします。特に高額の領収書の場合は税務調査で問われる場合があります。

8.経営者としての会計思考を養いましょう

売上を上げて,商品を仕入れて、経費を支払ったらどのぐらい利益が出るか、税金はどのくらい発生するのか、また、手元に現金がどのくらい残るのかこれらは経営者であれば皆、気になるところではあると思いますし、もちろん気にしなければならないところです。しかしながら、経営者の方とお話していますと「会計のことは全然わからないから」とか「試算表の見方がわからない」という方も多くいらっしゃいます。もちろん、経理の細かいことまで押さえる必要はありません。
しかしながら、経営者として行うその一手が会社に本当に利益を生み出しているのだろうか、実は経費ばかりかかって赤字なのではないだろうか、資金繰りはうまくいくのだろうかなど頭の中である程度計算して行動するのと、どんぶり勘定で突き進んでいくのでは結果が大きく異なってくるのは自明なことです。

もちろん、会計事務所や経理の方が経理面のサポートをするのは当然ではありますが、日々お金を動かし会社経営に関し日々意思決定をするのは社長さんですからやはり社長さんに会計思考を養っていただきたいのです。経理や会計に関する優先順位をもう少し上げていただいて、数字で会社の内容を理解して会社経営の意思決定に役立てるようになることも、とても重要な社長の仕事であることを意識していただきたいです。