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節税チェックリスト

COLUMN
2019.02.10

脱税はしたくないが、出来ることなら税金は極力少なくなるようにしたいというのが皆様の本音ではないでしょうか。そこで、今回は現状で考えられる節税案をチェックリストの形でまとめてみました。ただ、節税というと何か夢のような妙案があるかのように思いがちですが、実際はそんなことはありません。基本的には、お金を使って経費を作り、その結果税金が減るということになります。お金を使わす節税というのは既に脱税の領域です。したがって、上手にお金を使わないと単なる無駄遣いをして節税をしているということになりかねませんので注意が必要です。

資金不要で節税対策

1.回収の可能性の低い債権(売掛金・貸付金など)を貸倒処理できないか検討

回収可能性の低い売掛金や貸付金がある場合、可能性の程度によって損金処理することが可能です。ただ、催促してもなかなか支払ってくれないというレベルで気軽の落とせるものではありません。相手の所在不明だとか、客観的に見てこれは無理だろうと思われる状況であることが必要です。

2.在庫のうち不良在庫となっている分を処分できないか検討

現存する在庫のうち不良在庫となっている物がないかどうか検討し、もし該当する在庫がある場合は思い切って処分することを検討いたします。処分することに決めた場合は該当資産によっては決算前に処分業者に処分を依頼するなど廃棄の記録を残しておいたほうが良いと思います。処分業者から決算前に引き取りを受けた旨を明記した書類を受け取っておけば安心です。

3.使用していない固定資産の除却を検討

固定資産も在庫と同じように使用していない機械や工具備品などがあれば、それらの資産の除却(いわゆる廃棄のことです)や売却を検討いたします。廃棄する場合は在庫と同じように決算前に廃棄し、かつ廃棄の記録を残しておいたほうが良いと思います。また、売却の場合も決算前に売買契約を締結し、資産も相手先に引き渡しておく必要があります。

4.ゴルフ会員権など含み損を抱えている資産があれば処分を検討

ゴルフ会員権を所有しているが今はほとんど使っていない、また、価値の方も昔に比べると大幅に下落しているというケースがあります。こういった場合は思い切って売却して売却損を計上することを検討いたします。また、福利厚生施設として使っていたリゾート施設を所有しており、今は古くなって誰も利用していないというケースなども同様です。その場合、決算までに売却することが必要です。ただ、そういった資産をいざ仲介業者を通じて売却しようとしてもなかなか買い手がつかない場合がありますので、早めに売りに出すなど指定いただいたほうが良いと思います。

5.社長の自宅家賃のうち事業利用分を経費算入できないか検討

社長の自宅を会社の事業のために利用している事実がある場合、賃貸住宅であれば、支払っている家賃の一部、また、所有物件であれば社長に家賃を支払うことは可能です。賃貸契約の場合支払っている家賃のうち何割を事業用とプライベート用に区分するかについてですが、事業用に提供している面積割合や使用時間等を勘案して決めます。、ただ、家賃の設定は世間相場と比べてあまりかけ離れていない金額にする必要があります。また、社長が会社から家賃を受け取っている形にする場合は家賃収入として確定申告する必要があります。

資金必要で節税

退職による役員退職金の支給を検討

役員報酬として受け取るより退職金として受け取った方が個人の税金が少なくなるので役員退職金の制度の導入を検討します。
利益調整とみられないように役員退職金規定を整備して、退職の事実に合わせて計画的に支払うことが必要です。
また、退職金の支払い原資の準備のために退職時期に解約返戻率のピークを合わせた経営者向けの生命保険への加入をセットで考えるのが常道です。

役員および従業員の出張日当制度の検討(旅費規定等の整備必要)

日当は出張した際の精神的・肉体的な負担の補償という意味合いと普段発生しない経済的な負担(出張先での外食費用など)を考慮して支払うものです。
このような日当を国外や海外に出張に行く際に一日当たりいくらとして支払うことを検討いたします。あまり高額ですと役員報酬(賞与)や給与としてみなされる可能性がありますので、1日1万程度を目安に出張先の距離や役職によって日当規定を定めておく必要があります。

30万未満の少額減価償却資産の一括償却の特例の活用を検討

決算前に黒字になりそうな際に、必要な備品等の購入を検討します。備品等の固定資産については原則10万円未満、特例を使えば30万円未満(ただし特例適用の場合、年間合計300万円まで)のものについては消耗品として損金算入することが可能です。パソコンや備品などそろそろ買い替えが必要なものを候補に挙げて30万円未満の資産を決算前に購入します。決算までに事業の用に供していることが損金算入の要件になりますので、ネット等で注文する場合は納期のことも考慮し、決算日までに納品されるように注意いたしましょう。

役員報酬の増額の検討

役員報酬が決算がスタートしてから3か月以内であれば変更することが可能です。ただ、役員報酬を増額すれば、個人の所得税・住民税・社会保険などが増加しますので、増額する期の会社の利益と対比しながら会社の法人税・住民税含めた全体で検討する必要があります。

従業員への決算賞与の支給の検討

どうせ会社で税金払うなら従業員に還元した方がいいと考える場合にはお勧めです。決算期までに払えれば問題ないのですが、決算期後の支払であっても一定要件を満たせば決算賞与として認められます。

社員慰安旅行の検討(4泊5日程度、原則、全社員対象、参加率50%以上)

従業員同士の懇親を深め、より一層のモチベーションアップを図るという趣旨で社員旅行の実施を検討します。
ただ、あまり高額だと役員報酬や給与だと認定される可能性があります。1人当たり10万円ぐらいを目安にするとよいと思います。
また、全社員を対象とし、その参加率が50%となるように図ります。なお、役員・従業員すべて親族という場合は、社員旅行と家族旅行の境目があいまいなので避けておいたほうが無難だと思います。

従業員に社宅や寮の貸し出しの検討

社宅や寮とは入居者本人ではなく、会社で契約が必要です。また、本人が賃貸料相当額の50%以上の負担が必要になります。福利厚生制度の一環として検討します。ただ、業務命令で会社都合により引っ越しが必要だったような場合は本人の負担は必要なく、会社が負担した家賃100%損金算入することが可能です。

役員に社宅の貸し出しの検討

役員の場合、社宅の貸し出しをする場合以下のような本人負担が必要です。
●小規模社宅⇒自社物件・賃貸ともに賃貸料相当額。
●大規模社宅⇒自社所有⇒賃貸料相当額。賃貸⇒家賃の50%相当額と賃貸料相当額の多い金額
●豪華社宅⇒通常支払うべき賃貸料(時価)

特別償却や税額控除の特例の活用を検討

以下の特別償却や税額控除の適用が可能か否かを検討いたします。
中小企業等経営強化法に基づく税制
商業・サービス業・農林水産業活性化税制
環境関連投促進税制(グリーン税制)
地域未来投資促進税制
中小企業技術基盤強化税制(研究開発税制)
雇用促進税制
所得拡大促進税制

資金必要で税金繰延対策

損金計上できる生命保険の加入(セットで役員退職金制度の導入を検討)

社長を被保険者として損額損金もしくは半分損金計上できる生命保険に加入を検討します。生命保険は解約したときの返戻率が経過年数にもよりますが、80%から90%超になる期間があります。そのピークの期間を返戻率の高さと社長の退職時期に合う保険を比較検討して加入することを検討します。そして、先に述べましたように解約返戻金の発生する事業年度に退職金を支払うことにより解約返戻金による収益と相殺するようにします。

会社で生命保険に加入しておけば、社長にもしものことがあった場合、死亡退職金として遺族に保険金が支払うことが可能です。その後の家族の生活資金を確保するという本来の意味での死亡保障という意味合いも大きいと思います。また、会社経営者ですと会社での借入に対する個人保証をしている場合があります。その場合の返済金の原資を用意しておくという意味合いも大きいと思います。節税という観点だけでなく、本来の死亡保障、もしもの際の借入金原資準備という意味でも会社での借入相当額を目安に会社で生命保険に入っておくことをおススメします。個人で生命保険に入っていても生命保険料控除として最大で年間12万円までしか控除されないことを考えれば、個人で生命保険

中古資産の固定取得の検討

車両などの資産は購入時に全額損金算入されるわけではありません。資産ごとに決まっている耐用年数(国税庁から公表されている耐用年数表があります)に従い、取得価格を損金算入していきます。例えば、車両であれば新車で6年と決まっています。ただ、中古車を購入した場合、6年ではなくて新車登録時からの経過年数を控除して計算します。したがって、経過年数によっては耐用年数が2年になりますので、購入初年度でも所得価額の大半を損金算入することが出来ます。

中小企業倒産防止共済への加入の検討

年間で240万円(月額20万円まで×12か月)までの掛金の積立が可能ですが、積立合計の上限は800万円までです。全額損金算入可能です。決算ギリギリでも前払いした場合、1年間月額掛金×12か月まで損金算入できます。一定の要件を満たすと積み立てた全額戻ってきますが、戻ってきたときは全額収益となります。

消費税の節税対策

新設会社免税の活用(原則、2年間。)

純粋に節税対策とは言えないかもしれませんが、個人事業で事業を始めて、消費税の課税事業者になるタイミングで会社を設立して新設会社免税のメリットを受けるということは出来るかと思います。

簡易課税制度の適用を検討する(課税売上高 5,000万円以下対象)

消費税初めて売上に伴って預かった消費税から実際の仕入や経費に伴って支払った消費税を控除して差額を納税することが原則です。しかし、前々年度の課税売上高が5,000万円以下の会社では実際の仕入や経費に伴って支払った消費税ではなく業種によって決まっているみなし仕入れ率で控除することが出来る簡易課税制度を適用することが出来ます。実際に支払った消費税額よりみなし仕入れ率で計算した消費税額が大きい場合は消費税の納税額が少なくなります。課税売上高が5,000万円以下の場合はぜひ検討したいところです。