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消費税の簡易課税制度について

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2019.02.11

消費税はそもそもは預り金ですので事業年度単位で売上に伴って預かった消費税から商品仕入れや経費に伴い実際に支払った消費税を控除した差額を支払うのが原則です。ただし、前々年度(つまり2年前)の課税売上額が5、000万円以下の場合、実際の支払った消費税額でなく、課税売上高にみなし仕入れ率を掛けた消費税額を控除することができる簡易課税制度を選択することが出来ます。この簡易課税制度を適用すると消費税の納税額が本来の本則課税で納める額よりも少なくなる場合があります。

みなし仕入れ率とは

みなし仕入れ率は業種ごとに消費税の実際にかかる割合を加味して、以下のようにあらかじめ決められています。

卸売業などの第一種事業については90%、
小売業の第二種事業については80%、
建設業、製造業などの第三種事業については70%、
飲食店業など他の業種に属さない業種である第四種事業については60%、
サービス業などの第五種事業については50%、
不動産業の第六種事業については40%がみなし仕入率になります。

実際の計算例

本則課税の場合

たとえば、サービス業の場合、今期の課税売上が6,000万円であった例で考えてみたいと思います。
消費税8%の場合、課税売上高6,000万円であれば480万円(6,000万円×8%=480万円)預かることとなります。
これに対して商品仕入れや経費の支払が年間で2500万円あった場合、実際に支払った消費税は200万円(2500万円×8%=200万円)となります。
本則課税であれば売上に伴って預かった消費税480万円から実際に支払った消費税200万円を控除した280万円を申告時(決算から2か月以内)に支払うことになります。

簡易課税の場合

一方、簡易課税の適用を受けたとしたら、サービス業のみなし仕入れ率は50%となりますからみなし仕入れ額は6,000万円×50%=3,000万円となり、控除できる消費税は3,000万円×8%=240万円となります。したがって簡易課税であれば売上に伴って預かった消費税480万円からみなし仕入れ率に従って計算した240万円を控除した240万円がその事業年度の消費税の支払額ということになります。
すなわち、年間の消費税額は本則課税であれば280万円、簡易課税であれば240万円となりますから、簡易課税制度を適用したほうが有利ということになります。

どちらが有利か

今回のケースは商品仕入れや経費の支払が年間で2,500万円あった場合で考えましたが、実際の支払が2,500万円でなく3,500万円だったケースならどちらが有利でしょうか。
本則課税の場合は実際の控除額が3,500万円×8%=280万円、簡易課税制度の場合は実際の支払額は関係なくあくまで売上に対してみなし仕入れ率をかけて計算いたしますので先ほどと同じく240万円の控除となります。
実際の納付額で考えると本則課税で480万円-280万円=200万、簡易課税で480万円―240万円=240万円となりますので、この場合では本則課税のほうが有利という結果になります。
サービス業であれば、売上に対してみなし仕入れ率50%になりますので実際に支払った仕入・経費等が売上の50%を超えるなら本則課税有利、50%を下回るなら簡易課税有利ということになります。

簡易課税制度を適用する際の注意点

簡易課税を適用する場合に押さえておきたい注意点

事前に届出必要

簡易課税制度の適用を受けたい場合は簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を適用したい事業年度の事前に提出する必要があります。

2年間の継続適用が必要

いったん簡易課税の届出を提出と2年間は適用継続の必要があります。

前々年度の課税売上高が5,000万円以下の年度に定期用可能

前々年度の課税売上額が5、000万円以下のみ適用可能です。その後、前々年度の課税売上額が5000万円を超えた場合は簡易課税の適用は自動的になくなります。ただし、簡易課税の適用取り下げをしていない限り、いったん売上超過で適用除外になっても、その後、前々年度の課税売上額が5、000万円以下になれば自動的に簡易課税適用となります。

簡易課税が有利か否か過去の実績及び今期以降の予測に基づきシミュレーションが必要

簡易課税の適用を受けるのは適用を受ける事業年度の前までに適用の届出を提出しないといけないので、適用年度以降どうかるのか、過去の実績を踏まえて上記のシミュレーションをしてどちらが有利になりそうかを検討いたします。たとえばわれわれ士業のようなサービス業の場合、人件費中心になりますので一般的には簡易課税有利になる傾向があると思います。

固定資産などの大きな買い物をする予定のある年度に関しては要注意

ただし、固定資産、たとえば車などの大きな買い物をするという場合は注意が必要です。消費税の仕入税額控除は法人税や所得税のように減価償却計算をせずに、購入したその年度に一括控除するからです。したがって、先程の例で言いますと今期の課税売上が6,000万円に対して、車以外に実際に支払った消費税のかかる経費が2,500万円であっても仮に1,000万円の車を購入したとなると本則課税では3,500万円分の消費税が控除できることになります。こういった場合では、本則課税有利、簡易課税不利となってしまいますので、このあたりも含めて届出前に確認する必要があります。