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給与と外注費の違い

COLUMN
2019.02.16

実際に給与とは別に外注費を払っているという会社は意外に多いと思います。
例えば、通常の業務を行う従業員以外に、専門的な業務(例えば、ホームページの画像作成や経理の入力など)を行う外部スタッフを外注として扱ったり、建設業で人が足りない時に急遽手伝ってくれる方を外注として扱っているケースなどです。外注であれば社会保険の対象ともならないので、会社からすればありがたい存在でもあると思います。

実は、この外注費として扱っている方が給与の対象であると税務調査で指摘されることが大変多いのです。
そこで、今回は給与と外注費の違いについてみていきたいと思います。
なお、ここでの外注というのはあくまで相手が個人であることを前提としています。相手が法人であれば、給与という問題は発生しませんので外注費と処理していて問題になることは全くありません。

給与と外注の違いについて

給与と外注費の基本的な区分は以下の通りです。
給与とは雇用契約に基いて提供された労働に対する対価として支払われるものです。
外注費とは請負契約に基づいて提供された役務に対する対価として支払われるものです。

事業主の計算のもと時間に応じて提供している労働に対して支払われるのが給与、自己の計算において提供している役務に基づき成果物に応じて支払われるのが外注費といえるでしょう。

例えば、スーパーのレジなどのように決められた時間その場にいて労働を提供する場合、給与なら仮にお客さんがまったく来なくても時間給×時間の給与を受け取ることが出来ます。一方仮に外注としてその成果が担当したレジ単位での売上×何%と決まられていたら、お客さん0ならその日の報酬は0ということになります。

なお、受け取る側からしても給与は給与所得となり、外注費は事業所得になり所得形態自体が違います。

給与か外注かの判断基準

また、外注費の対象となる方は言ってみれば独立事業主として活動している方ということになりますので、その判断は以下のような基準で考えます。

①業務の代替性

外注の場合、成果物に対して報酬が支払われる性質上、下請けや従業員などの事業主以外が仕事を行っても、その完成物に対価が支払われることとなります。一方、給与の場合は当人との雇用契約であるため本人以外の仕事の代替は認められません。

②時間的拘束

給与であれば、勤務時間が決まっていますので、その時間中は業務時間として当然に拘束されます。一方で外注であれば成果物によって報酬が決まり時間に拘束されません。

③現場での指揮監督

外注というのは独立して自己の責任で業務行う人ということになりますので、自分がまかされた業務範囲を自分の判断で行っているだろうという視点で判断されます。実際のところ現場に出向き、まったく現場の責任者などから一言もしゃべらず帰ってくるということもないでしょうからある程度独立事業者として独自の判断で動けるかということだと思います。現場に行ってあれやって、これやってと常時指示を受けている状態では独立事業主としては認められないということでしょう。

④成果に対する責任

まだ完成に至っていない成果物が不可抗力などによって、それまで行っていた役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうかも判断材料になります。事業主の計算のもと時間で働いている従業員は成果物によって報酬が決まるわけでもなく、提供した労働によって給与を受け取る権利があります。一方自己の計算のもと成果物によって報酬を得る事業主としては役務に対する報酬は請求できないだろうということになります。

税務調査の現場での実際の判断

税務調査で問題になったときは、上記の要件を踏まえて、実際の業務の状況を勘案して給与か外注費かを決めていくことになります。
結局は間接事実の積み重ねで判断していくとになりますので、すっきり給与か外注費か結論が出ないことが多いのですが、税務署は基本、外注費とみなしてきます。上記の③や④の要件も税務調査の現場では口頭での説明になりますのでなかなか証明のしにくいところになりますので悩ましいところです。したがって、外注であれば、個人で事業所得として確定申告をしているか、他の会社の仕事も受けているかという点もポイントとなります。

税務署はなぜ外注費としたがるか

給与も外注費も会社からみれば経費であることには変わりありませんが、消費税法上の取り扱いが異なります。
給与の支払いに消費税は関係ありませんが、外注費の場合課税仕入れになりますので仕入税額控除の対象になります。
また、外注費は所得税の源泉徴収の対象になるものもありますが、基本的には対象になりません。一方で給与は少額であれば源泉徴収税額が発生しない場合もありますが、基本的に所得税の源泉徴収の対象となります。
したがって、会社が外注費としていたものを給与と認定されると消費税の仕入れ税額控除が取り消され、源泉徴収漏れも指摘されるというダブルパンチになってしまいます。

外注であることを明確にするには

また、外注として扱いたいのであれば報酬の支払方を時間を基準に計算するのではなく、成果物によって契約しておくほうがよいでしょう。例えば、経理の入力を時々お願いしている場合は、時間当たりいくらとするのではなく、仕訳一つ当たりいくらといった成果物での報酬の算定方法を採用しておくとよいと思います。建設現場での外注となるとどうしても日当いくらという計算になってしまいます。外注だからといって日数や時間に基づいた算出方法が絶対ダメということはないと思います。しかしながら、例えばその相手が他の仕事も請け負っている、確定申告を自分でしているなどはっきりわかっている場合はそれほどトラブルにならないかと思いますが、従業員とあまり業務状況が変わらない場合は出来高での契約にしておいたほうが無難だと思います。