大幅に贈与税や相続税が納税猶予及び免除!お得な特例事業承継税制についてその1
特例事業承継税制とは
平成30年度税制改正によって事業承継税制に関する改正が行われました。
事業承継における最大の問題点は、先代経営者が所有している会社の株式を後継者にいかに譲り渡すかという点です。先代経営者の所有する株式の評価額は会社の状況によってはかなりの高額になる場合があります。こういった株式を先代経営者から後継者に普通に贈与してしますと多額の贈与税の納付が必要となってしまします。また、先代経営者がお亡くなりになった時点で会社の株式を後継者が相続すると多額の相続税が発生する場合があります。今回の改正が行われた事業承継税制を適用すれば、本来であれば発生するであろう多額の贈与税や相続税が全額猶予される可能性があります。したがって、税制の想定する要件に当てはまるケースであれば、相当額の節税になります。
そこで本コラムではまず、今回改正のあった事業承継税制の概要についてみていきたいと思います。
特例事業承継税制適用のための要件とは
特例承認計画を都道府県庁に提出する必要があります。
贈与税の特例納税猶予制度の適用を受けるためには、会社は平成30年4月1日から平成35年3月31日までに認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて「特例承認計画」を作成し、これを都道府県庁に提出する必要があります。
先代の経営者の要件
先代経営者には以下の要件があります。
1.過去、会社の代表であったこと
2.贈与時点で代表取締役でないこと
したがって、先代経営者は贈与までに代表権を返上しておく必要があります。
3.先代経営者と同族関係者で議決権数の50%超の株式を保有し、かつ同族内で筆頭株主であったこと
後継者については年齢要件がありますが、先代経営者については特段の年齢要件はありません。
後継者の要件
後継者についても以下の要件があります。
1.贈与時点で会社の代表者であること
2.20歳以上であり、かつ、役員に就任してから3年以上経過していること
3.後継者と同族関係者で議決権の50%超の株式を保有し、かつ同族内で筆頭株主であること
なお、後継者は親族に限定されておりませんので、親族外の第三者でも可能です。
先代経営者が保有している株式を一括して後継者に贈与
先代経営者は保有している株式を後継者に対し原則、一括して贈与する必要があります。
対象会社の要件
対象となる会社は以下の会社に限定されています。
1.中小企業基本法上の中小企業に限定されています
2.非上場会社に限定されています
3.性風俗営業会社は対象外です。ただし、パチンコやゲームセンターなどの遊技場などは特例の対象になります。
4.原則的に資産管理会社は対象外です。
適用開始後5年間の事業継続が必要
特例事業承継税制を適用して贈与行った後、以下のような継続要件があります。
〇後継者は5年間は代表者であること
〇雇用の8割以上を5年平均で維持
〇贈与した株式を継続保有すること
なお、事業継続要件を満たさなくなった場合などは、特例事業承継税制の適用がなくなり、通常の贈与税の納税が必要となります。
まとめ
経営者の高齢化がすすみ、今後事業承継の必要な局面が増えてくると予想されます。その際、ネックとなるのが株式の異動でしたが、今回の特例事業承継税制に要件に当てはまれば、納税額0で事業承継を行うことも可能です。要件に該当しそうな場合は是非、特例事業承継税制の適用をご検討ください。