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税務調査の流れ(体験記)

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2019.02.03

会社経営をしているとどうしても気になるのが税務調査です。なかなか経験することがない(むしろ経験したくない?)ことなので、どんなところを調べられるのか、どんな風にすすめていくのか、わからない分不安に感じることも多いと思います。そこで、私の体験の中から標準的な税務調査の姿を記載していきたいと思います。
調査の日程は、会社の規模によって異なりますので、ここでは売上1億円未満の法人をイメージしてお話します。

1.事前準備

事前に電話連絡があり、代表者及び税理士と調整し、日程を決定いたします。
時と場合によりますが、原則としてはまずは、税理士に税務調査の日程調整の連絡が入ります。
調査官1人か2人で調査日数2日間というのが一般的です。組み合わせとしては中堅クラスもしくはベテランと若手という組み合わせが多いです。
会社規模が大きくなれば、調査官の人数および調査日程も増えていきます。
税務調査の場所は、一般的なのは会社の応接室です。ただし、専用の部屋がない、従業員に聞かれたくないということであれば、別途ホテルの会議室を借りたり、税務署の中の応接室、税理士事務所の応接でなどで税務調査を受けることも可能です。
スタートは10時ごろ、途中お昼休憩(12時~13時の1時間)をはさみ、16時過ぎに終了というのが標準的な日程です。税務職員の方は公務員ですのであまり残業を望まないせいか終了時間については調査が白熱し思わず延長ということにはあまりなりません。時間になると「そろそろここらへんで…」となることが多いです。
社長様の立会については調査時間中ずっと対応ということは求められません。初日の午前中、 2日目(終了日)の最後に最低限いていただければ大丈夫かと思います。ただし、社長様に確認しないとわからないことがあると課題として残ってしまう場合がありますので業務の合間に随時顔を出していただけた方がスムーズに進む場合があります。
調査作業中にお茶ぐらい出した場合、ペットボトルを持ってきているのでと断られるケースもありますが、そのまま飲まれていくケースもあります。ただ、お昼ご飯の提供に関しましては固辞されますので、特段、お弁当の用意など気にする必要はないと思います。
税務調査は社長様含め会社の方に時間の面でも、体力的及び精神的な負担でもかなりの負担がかかります。極力少ない日程で対応できるのが望ましいと思います。こちらから十分に協力をし、調査官が一通り調査を行うことが出来たと思えば、当初の調査の日程が短くなること(例えば丸々二日間の予定が一日半ぐらいに)はよくあります。

2.税務調査当日

2.初日

初日はまず調査官から社長様への事業概況に関するヒアリングから始まります。
法人設立から今日に至るまでの会社の概況について尋ねてきます。
基本的には紳士的で、雑談のようなスタイルで聞いてくることが多いです。最初からケンカ腰や犯人扱いみたいな対応は通常の税務調査ではありません。話としては会社を立ち上げたいきさつから、売上取引先、営業の方法、入金の仕組みなど税務調査に必要な内容を中心に訪ねてきます。事前にいろいろ調べてきますのでこの最初の時間で詳しく聞いてきた話が後の調査事項の話と関連してくることがあります。したがって聞かれたこと以上に話しすぎないことが肝要です。
初日の午後から書類調査に入ることが多いです。調査項目の順番としてはまずは売上からです。売上の計上漏れ、意図的な除外、売上の期ずれ、売上とその対応する原価の対応関係などを会社が用意した総勘定元帳と見積書・契約書・請求書の控えや入金状況を突き合わせて調査したします。
売上の期ずれ、売上とその対応する原価の対応関係についてはかなり重点的に見ていきます
社長様からするとどうせ来年には申告するんだからと思われると思うのですが、かなり時間をかけて調べます。したがって、決算に際にこの辺りをきっちり処理しておくと税務調査で指摘される確率がかなり減ると思います。
売上の調査のめどが立てば経費の調査へと進みます。若い調査官が主にひたすらノートに記録を取りながら、書類調査をすすめます。ベテラン調査官は書類を見ることはありますが、若い調査官への指示、社長への質問など中心に行います。

3.二日目

二日目も同じように続きます。初日の税務調査終了後、いったん所属の税務署に帰り、統括官などに報告をし、その報告に基づいて指示を受けてきます。したがって、初日の指摘のあった事項のうち、特に指示を受けてきたことに関して重点的に調べられることも多いです。また、逆に初日に指摘を受けていたことでも、「そこはまぁいいだろ」と言われてきたからか全く話題に出なくなることもあります。売上の調査が一通り終わっていれば、経費の調査中心になります。総勘定元帳や補助元帳を概観して、金額が大きいもの、イレギュラーな取引と思われるものを中心に関係する原始証票と突き合わせていき、問題がないかを確認していきます。
すべての取引を領収書等と突き合わせていくわけではありませんが、相手も調査のプロですから異常のありそうなところは確実に抽出してきます。和やかなムードで調査は基本的に進んでいきますが、鋭いところを突いてきますので油断は禁物です。店舗倉庫や工場がある業種ですと、倉庫や工場の現地調査を行います。その際、在庫等の管理状況や端材や滞留品などの計上漏れについて聞かれます。
その他、契約書等に貼る印紙の貼り漏れについて調べられることがあります。

税務調査その後

帰る際には、今回の調査で指摘した点についてこの辺が問題だと考えているという項目について話がありますが、調査の現場ですぐ最終的な結論が出ることはありません。実地調査で得た事実をもとに取引先企業や外注先に反面調査などを行い、上司である統括官、税務署の審理担当、税務署長などに承認を取り最終的な調査結果が決まります。したがって、最終結果が出るのは早くても1~2か月先になるのが一般的です。
調査官によっては、もし問題があれば追加でお願いすることがあるかもしれませんというような不安を増大させるようなことを言って帰られる方もいらっしゃいますが、そういったケースはほとんどありません。調査後の打ち合わせも税理士が税務署に行って修正内容等打ち合わせることになりますので社長様が直接調査官と接触するのは実地調査の期間だけというのが一般的です。
税務調査の最終的な結果について折り合いがつけば、最終的には会社が対象年度の修正申告書を提出し、追加税金を納税すればそれで終了です。
よく、税務調査というと皆さまからお土産(いわゆる少しぐらいの修正および追加納税)が必要なんでしょと言われることが多いのですが、実際のところ大半は修正なし(申告是認といいます)で終了していきますので、必要以上にお土産のようなものは必要ないのではないかと思います。

3年に1度が税務調査の原則ということになっていますが、実際には10年間一度も来ないなどのケースも多々ありますので、必ず3年に1度税務調査に来るということはありません。ただ、修正事項が悪質だとして重加算税の対象になっってしましますと、3年後にまた税務調査が来る可能性は高いようです。したがって、特に悪質な取引である旨指摘されたわけでもなければ早くても3年後以降に来るのかなと考えておけばと思います。